2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790449
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
早川 秀幸 Nippon Medical School, 大学院・医学研究科, 特別研究生 (10373052)
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Keywords | 死後画像診断 / オートプシーイメージング / MRI / 死後変化 |
Research Abstract |
Wister系ラット(雄、体重250g前後)にハロタンで全身麻酔を施し小動物用MRI撮影装置にて頭部および胸腹部を撮影した。次いでハロタンの流量を増してラットを安楽死させ、死亡直後より3時間後まで頭部・胸腹部の撮像を繰り返し行った。目的としている領域の画像描出には成功したものの鮮明な画像とは言いがたく、詳細な画像の変化を検討するには不十分な画質であった。最適なパラメーター設定について検討中である。 本研究開始後、研究代表者の本務先において死後MRI検査が容易に施行可能となったため、研究計画を一部変更し、剖検予定遺体を対象にMRI撮影を行って死後変化および死因との関連を検討した。検査施行事例は10例、全例男性、年齢は3〜65(46.9±20.1)歳、死亡からMRI撮影までの時間は13〜58(35.6±16.2)時間。死因は虚血性心疾患3例、くも膜下出血、橋出血、敗血症、アルコール性肝硬変、急性一酸化炭素中毒、吐物吸引による窒息が各1例で、他1例が検査中である。大脳基底核がTl強調像で高信号を呈し、内包がT2強調像で低信号を呈した。この変化は全事例で認められ、死後早期に生じる変化と考えられた。また死後経過とともに脂肪が抑制されている印象を得たが、この点については更なる事例蓄積が必要である。この他、既にCTで確認されている死後変化ではあるが、血液就下に伴う血管・肺・心腔内の水平面形成、肝内ガスなども認められた。死因との関連では、くも膜下出血、橋出血、肝硬変は画像のみで病変が特定できた。吐物吸引症例では気道内への大量の異物吸引が確認できたが、これが死戦期の変化か否かの鑑別のために剖検が必要だった。虚血性心疾患では心筋病変や冠状動脈狭窄の有無を画像上で指摘することはできず、死因特定には剖検が必要であった。
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