2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790453
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
金森 達之 National Research Institute of Police Science, 法科学第三部, 主任研究官 (40356192)
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Keywords | ヒト肝細胞 / 乱用薬物 / 代謝 / LC-MS / MS |
Research Abstract |
3種の乱用薬物の培養肝細胞による代謝パターンを調べ、その薬物代謝モデルとしての有用性について検討を行った。具体的には、市販のヒトおよびラットの三次元培養肝細胞(TESTLIVER-human-およびTESTLIVER-rat-、東洋紡社)を薬物(2C-B、5-MeO-DIPTおよび2C-T-7)とともに培養し、24時間および48時間後に培養液をサンプリングした。Oasis HLB固相抽出カートリッジ(Waters社)にて培養液から代謝物を抽出し、LC-MS/MSのSRMモードにより、各代謝物の定量を行った。その結果、今回対象とした3種の薬物のいずれについても、TESTLIVER-rat-において、それぞれのラット尿中主代謝物の生成が認められ、in vivoでの代謝が良好に再現されることが示された。また、同様に、TESTLIVER-human-により、5-MeO-DIPTについて、そのヒト尿中主代謝物の生成が確認された。2C-Bおよび2C-T-7については、ヒトin vivoデータがないので比較はできないが、TESTLIVER-human-において、それぞれ数種類の代謝物の生成が確認され、それらの代謝物のヒト尿中への排泄が予想された。一方、2C-Bおよび5-MeO-DIPTについては、いずれのTESTLIVERにおいても、水酸基を有する代謝物の一部が抱合を受けていることが確認され、TESTLIVERにより、第II相反応まで忠実に再現できることが明らかとなった。TESTLIVERは、非常に簡便な操作でin vivoにおける代謝反応を良好に再現可能であり、乱用薬物の代謝モデルとして非常に有用であることが明らかとなった。
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