2007 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌におけるcancer stem cellと抗癌剤耐性
Project/Area Number |
19790466
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小暮 高之 Tohoku University, 病院, 医員 (70400330)
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Keywords | 肝臓病学 / 肝細胞癌 |
Research Abstract |
(i)ヒト肝癌組織におけるABCG2の発現:肝癌組織においてABCG2陽性細胞が認められた。高分化では約60%、中分化では約35%、低分化では約15%であった。背景肝では胆管に発現を認めた。 (ii)ヒト肝癌細胞株、Hep3B、Huh7、PLC/PRF/5、Li-7、HepG2におけるABCG2の発現:免疫蛍光染色・フローサイトメトリーによる検討で、各種肝癌細胞株にABCG2陽性細胞を認めた。発現頻度(%,±SE)はそれぞれ、Hep3B, 3.78±2.20; Huh7, 0.52±0.47; PLC/PRF/5, 4.88±2.45; Li-7, 5.76±2.11; HepG2, 0.91±0.91であった。 (iii)セルソーターを用いた細胞株の分離培養:分離後のそれぞれの純度(%,±SE)は、Li-7においてABCG2陽性細胞は、68.85±36.6、ABCG2陰性細胞は99.5±0.42であった。ABCG2陽性細胞を分離後、約2週間培養したのちのABCG2陽性細胞は、3.01%であり、分離前の発現頻度と同程度になることが確認された。 (iv)細胞増殖能、Cisplatin、Doxorubicinに対する細胞増殖抑制効果の検討: Li-7において、Doxorubicinでは、低濃度で陽性細胞はDoxorubicinに対して抵抗性を示した。Cisplatinでは、低濃度では陽性細胞・陰性細胞ともに同程度の細胞増殖抑制効果を示したが、高濃度では陽性細胞はCisplatinに対して抵抗性を示した。 (v)Li-7においてのABCG2陽性細胞と陰性細胞のmRNA発現プロファイル: Li-7において検討したmRNA発現プロファイルは、ABCG2陽性細胞において、陰性細胞と比較し、増殖・増殖・血管新生などに関連する複数の遺伝子の発現増強が認められた。
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