2007 Fiscal Year Annual Research Report
消化器疾患へのLI-cadherinの関与とその分子機構の解明
Project/Area Number |
19790473
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高村 昌昭 Niigata University, 医歯学総合病院, 医員 (20422602)
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Keywords | LI-cadherin / 肝内胆管癌 / 脈管浸潤 / 予後因子 / siRNA |
Research Abstract |
LI-cadherinは、classic cadherinと構造的・機能的にも異なった特徴を有するユニークなcadherinであり、その発現及び機能解析に関する報告はほとんどないのが現状である。本研究ではLI-cadherinの肝内胆管癌(ICC)への関与とその分子機構を解明することを目的とした。24例のICC切除標本での免疫組織学的解析を行った。10%以上の癌細胞で陽性に認められた場合にLI-cadherin陽性とした。正常の胆管上皮細胞では発現は見られなかった。癌部では、高分化型癌では強い発現がみられ、浸潤部や中分化、低分化となるにつれてその発現が減弱または消失することが判明した。LI-cadherin陰性例は分化度及び脈管浸潤と有意な相関を認めた(P<0.05)。LI-cadherin陰性例の予後は陽性例と比較して有意に予後不良であった(P<0.05)。Cox比例ハザードモデルを用いた生存解析では,LI-cadherin発現減弱はリンパ節転移、肝内転移とともに独立した予後不良因子であった(P<0.05)。高分化型・中分化型・未分化型3種類のICC培養細胞株におけるLI-cadherinの発現をReal-Time RT-PCR法及びWestern Blot法で解析したところ、高分化型ICC株でLI-cadherinの発現がみられた。同株にsiRNAを導入しLI-cadherin発現の抑制を確認し、種々のアッセイ及び遺伝子発現の網羅的解析を進めている。
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