2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790474
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
大谷 昌弘 University of Fukui, 医学部, 助教 (20372500)
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Keywords | 胃癌 / エストロゲン / エストロゲン・レセプター / ヘリコバクター・ピロリ |
Research Abstract |
【研究の目的】 胃癌の罹患率は男性の方が高く、女性の約2倍とされている。疫学的研究では閉経の遅延や更年期障害に対する女性ホルモン補充療法が胃癌のリスクを下げることが報告されており、女性ホルモンが胃発癌に対して抑制的に働く可能性が示唆される。ガストリントランスジェニック(INS-GAS)マウスはヘリコバクター・ピロリ感染により感染7ヶ月後に胃癌を発症し、その発癌はヒトと同じく雄マウスが有意に高い。我々はこれまでにヘリコバクター・ピロリ感染INS-GASマウスによる胃発癌は卵巣摘出により促進され、また女性ホルモンの17β-エストラジオール投与により抑制されることを報告した。本研究ではその抑制機構の一端を明らかにするために、エストロゲン・レセプターのα、β2種類のサブタイプに注目し、ヘリコバクター・ピロリ感染INS-GASマウスに各種エストロゲン・レセプター作動薬を投与する動物実験を計画した。 【研究実施計画と成果】 平成19年の研究計画はマウスコロニーのセットアップと動物実験の開始・遂行である。 (1)本研究の開始のために、海外研究協力者のマサチューセッツエ科大学Fox教授よりINS-GASマウスを譲受し、マウスの飼育を開始し、INS-GASマウス繁殖コロニーを樹立した。(2)予備実験として17β-エストラジオールがヘリコバクター・ピロリ増殖に影響を及ぼすか液体培養を用いて検討を行ったが、17β-エストラジオールの濃度上昇に伴う有意なヘリコバクター・ピロリ増殖抑制効果は認めなかった。(3)繁殖コロニー樹立後、INS-GASマウスにヘリコバクター・ピロリ感染とエストロゲン・レセプターα、βのそれぞれの作動薬の投与を開始した。動物実験の解析は平成20年度の予定。
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