2007 Fiscal Year Annual Research Report
肝移植後C型肝炎重症化機構に関与する宿主側要因とウイルス側要因の検討
Project/Area Number |
19790480
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 佳秀 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (90378662)
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Keywords | C型肝炎 / 肝移植 / インターフェロン / リバビリン / 線維化 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
肝移植後C型肝炎の重症化に関与する宿主側の要因について、臨床ならびに基礎的研究を行った。 臨床研究として、インターフェロンとリバビリンの併用療法の効果と重症化との関連について解析を行った。併用療法を行った肝移植後C型肝炎症例40例について、治療効果によりウイルス排除群(14例)、生化学的反応群(14例)、無効群(12例)の3群に分類し、それぞれの1年または2-4年経過後の肝組織所見における肝炎活動性と肝線維化の変化を解析した。その結果、ウイルス排除群では肝炎の活動性は抑制され、線維化の進行も抑制された。一方、生化学的反応群と無効群では肝炎の活動性は抑えられず、2-4年の長期の経過で線維化の進行を認めた。これらのことから、肝移植後C型肝炎の重症化の抑制のためにはウイルスを排除することが重要であり、生化学的反応を認めても肝炎活動性は低下せず、治療終了後には線維化が進行することが明らかとなった。 また、基礎的研究として、肝臓におけるDNAメチル化状態の年齢や性別における変化について検討を行った。まず、予備実験として、マウスの肝臓におけるDNAメチル化状態について検討を行った。 マウスのメジャーサテライト領域、マイナーサテライト領域、C型レトロウイルス反復配列の3つの繰り返し配列について、サザンブロット法を用いたDNAメチル化実験をおこなった。その結果、マウスにおいては、年齢または性別の違いによってDNAメチル化状態の違いを検出することはできなかった。現在、ヒトの検体について検討を行っている。
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Research Products
(2 results)