2008 Fiscal Year Annual Research Report
ラットモデルを用いた新規肝性脳症モデルの開発と解析
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19790485
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
瀬川 誠 Yamaguchi University, 医学部・附属病院, 助教 (70423390)
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Keywords | 肝性脳症 / モデル / サイトカイン |
Research Abstract |
1) 新規肝性脳症ラットモデルを用いた、血清中S100bの肝性脳症診断マーカーとしての有用性に関する基礎的検討 我々は、アセトアミノフェンと3 methylcholanthreneを用いた肝性脳症モデルを作成し、アストロサイトの変性および、異常行動が誘発されることを報告した(Liver Int. 2008 Jan ; 28(1) : 117-25.)。我々は、このモデルにおける血清S100b蛋白量を測定し、薬物非投与ラットに比較し約12倍のs100b蛋白の発現を観察した。また、ラットの脳浮腫の状態を確認する目的で、MRIで観察したところ、薬物投与ラットは、脳浮腫が増強する傾向がみられたが、有意差は認められなかった。 2) 劇症肝炎時の肝性脳症の診断マーカーとしての血清中s100b測定の臨床的有用性についての検討 肝性脳症は、劇症肝炎の診断において必須であるが、脳内の変化を検出するマーカーは確立していないが、我々は、脳アストロサイトにおいて産生、貯蔵されるカルシウム結合蛋白質であるS100bが劇症肝炎における肝性脳症発症時の脳内の変化を示す有用なマーカーであることを報告した。(Liver Int. 2008 Jan ; 28(1) : 146-7)9人の肝性脳症を呈した劇症肝炎患者(B型肝炎6人、薬物2人、原因不明1人)の保存血清を用いた検討を行った。血清S100bは健常者の値よりも約2.88倍高かった。
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Research Products
(2 results)