2008 Fiscal Year Annual Research Report
上皮-間充織形質転換の観点から見た消化器疾患におけるプロスタグランジンの意義
Project/Area Number |
19790493
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
谷川 徹也 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 講師 (70423879)
|
Keywords | 上皮-間充織形転換 / プロスタグランジン / 15-hdroxrostalandin dehydroenase / 創傷治癒 / 胃癌 |
Research Abstract |
PGは消化管粘膜創傷治癒促進作用や消化管癌の発生や増殖、進展、浸潤、転移に重要な役割を果たしている。しかしながらPGが細胞運動に及ぼす意義については不明な点が多い。一方、上皮細胞が何らかの刺激により間葉系細胞の形態に変化し、それにより運動能などの特徴を獲得するユニークな現象は、epithelial mesenchymal transitiom(上皮間充織形質転換、以下EMT)と呼ばれており、粘膜損傷の修復や癌細胞の浸潤、転移能の亢進のメカニズムの一つとして注目されている。組織中PGE2量はcyclooxygenaseを始めとしたPG合成酵素と代謝酵素である15-hydroxyprostaglandin dehydrogenaseにより調節される。そこで、2008年度は、15-PGDHの発現動態EMTの誘導因子となりうるかどうかを検討するため、以下の予備検討を行い、以下に示すような結果を得た。 1. 胃癌における15-PGDHの発現動態について検討したところ、約半数の進行胃癌において15-PGDHの発現の低下が観察され、生命予後との相関が認められた。 2. 胃潰瘍における15-PGDHの発現動態について検討したところ、胃潰瘍辺縁上皮において15-PGDHの発現の低下が観察された。 以上より、15-PGDHの発現低下は組織内PGE2量を増加させ、PGは消化管粘膜創傷治癒促進作用や消化管癌の発生や増殖、進展、浸潤、転移を調節している可能性が示唆された。2009年度は前述した病態における15-PGDHの発現低下がEMTを誘発するかどうかについて検討したい
|
Research Products
(5 results)
-
-
-
-
-
[Presentation] 胃癌組織における15-Hydroxyprostaglandin dehydrogenaseの発現動態の検討2008
Author(s)
達脇大, 谷川徹也, 渡辺俊雄, 町田浩久, 岡崎博俊, 斯波將次, 富永和作, 藤原靖弘, 押谷伸英, 六車一哉, 澤田鉄二, 平川弘聖, 樋口和秀, 荒川哲男
Organizer
第94回日本消化器病学会総会
Place of Presentation
福岡
Year and Date
2008-05-09