2008 Fiscal Year Annual Research Report
炎症と線維化・癌化の遺伝子発現プロフィル変化とイメージング
Project/Area Number |
19790495
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
北村 直人 Keio University, 医学部, 助教 (30306691)
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Keywords | 放射線 / 遺伝子 / 癌 / 生体分子 / 免疫学 / 分子標的治療薬 / TGF-ファミリー / イメージング |
Research Abstract |
研究者は、平成16年度以降の科学研究費補助により、TGFファミリーのシグナルカスケードを中心とした炎症、線維化、癌化のメカニズム解明に尽力してきた。本研究の最終的な目的は、正常細胞、および、腫瘍細胞において、放射線照射や抗癌剤などにより、TGFファミリーを中心とした発現の変化する遺伝子(mRNA)について、RI標識によりイメージングを行い、炎症や線維化、癌化、アポトーシスについての変化を捉えることにある。 本年度は、Wistar系ラットを用いて、Halothene麻酔下にdimethylnitrosamineを連日腹腔内投与して、肝臓と膵臓の慢性炎症/線維化モデルを作成した。治療薬としてfbllistatinを、対照として生理食塩水を尾静脈投与した。3週間後に肝臓、膵臓を摘出し、炎症・線維化について評価した。治療群では、対照群と比較して、3週間後での生存率は有意に改善した。また、炎症・線維化は有意に抑制されていた。線維化に関係するactivinやTGF-betaなどのサイトカインの発現は、fbllistatinにより抑制されており、サイトカインの抑制が線維化抑制に関係した可能性が示唆された。アポトーシスについても、治療群では有意に抑制されていた。現在、遺伝子発現の解析をすすめている。 次に、平成19年度に続いて、TGF-alphaシグナルに関与するEGFRを標的とした分子標的治療薬trastuzumabについて、乳癌細胞に対する抗癌剤や放射線照射との併用療法について、線維化抑制効果と抗腫瘍効果の研究を推進した。乳癌細胞(SK-BR-3、MDA-MB-231)について、抗癌剤や放射線照射による制癌効果の変化をコロニー法による評価をすすめた。
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