Research Abstract |
本研究では,まず食道粘膜上皮細胞株でのタイト結合蛋白の発現を蛍光免疫組織染色,Western blotting, real time PCRで確認をした.TE-1細胞に,western blottingではクローディン-1,-3,-4,-7,オクルーディン,JAM-A, ZO-1, ZO-2の発現を,蛍光免疫染色では,クローディン-4,-7,オクルーディン,ZO-1, ZO-2の発現を確認した.またmRNAの発現はreal time PCRで,クローディン-1,-2,-3,-4,-6,-7,-9,-11,-12,-14,-15,-20,-22の発現を確認した.pH4刺激によりwestern blottingの検討でクローディン-7, JAM-Aの発現は一過性に低下し,クローディン-3は恒常的に低下した.またpH4刺激によりクローディン-2の発現増強がみられた.一方,pH2刺激では,これらタイト結合蛋白の変化はみられなかった.現在,胆汁酸でも同様の変化が起こるかどうか,また酸と胆汁酸の同時刺激でどのような変化がみられるかの検討を行っている. TE-1細胞を使用して透過性試験としてFITC-デキストランの透過性や電気抵抗値の測定を試みたが,十分な電気抵抗値,上皮による透過性の制御を得るには至っていない.扁平上皮の特性としてシート状に細胞の増殖が得られにくい可能性があり,現在は初代培養系食道細胞を使用して透過性を十分に制御する細胞シートの形成を促すよう前処置することで検討を行っている.また電子顕微鏡で細胞間接着装置の観察を試みている.claudinの発現ウィルスベクタの作成についても試みている.
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