2008 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスIRES領域の遺伝子解析による治療効果予測因子の同定
Project/Area Number |
19790502
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
緒方 啓 Kurume University, 医学部, 助教 (90309766)
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Keywords | C型肝炎 / HCV / 効果予測 / IRES / ペグインターフェロン / リバビリン |
Research Abstract |
C型慢性肝炎症例(以下CH-C)に対するペグインターフェロン・リバビリン併用療法の新たなウイルス学的効果予測因子を見出すことを目的とし、HCVのinternal ribosome entry site(以下IRES)領域の変異パターンに着目した。新たに12w(+)群(治療抵抗性群)と12w(-)群(治療感受性群)各々7例、8例のCH-CのIRES変異解析を行い、H19年度から通算して12w(+)群18例、12w(-)群20例の計38例の症例解析を行った。 (研究成果の具体的内容) 12w(+)群全体ではdomain II(dII)に16箇所、domatn III(d III)に20箇所の変異を認めた。一方、12w(-)群全体ではそれぞれ17箇所、40箇所の変異を認め、治療感受性群ではd IIIへ変異が集中する傾向が見出された。特に12w(-)群のd IIIにおいて141番から155番目、172番から227番目、さらに239番から252番目にわたる領域の塩基配列において変異を顕著に認めた。この領域をd III 141-252と定義すると、d III141-252に変異を認めた例は12w(-)群で20名中18名、12w(+)群で18名中6名であった(P<0.05)。一方、d III141-252に変異を認めず、且つd IIのstem領域に変異を認めた例は12w(-)群で20名中1名、12w(+)群で18名中7名であった(P<0.05)。 (研究成果の意義・重要性) d IIIの中で領域を絞りこみ、特にd III141-252という領域が感受性決定に大きく関与している可能性が見出された点が、今年度の研究成果の意義として重要である。治療感受性領域が具体的に見出されると、多数の臨床サンプルのスクリーニング系構築に非常に有用となる。
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