2009 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスIRES領域の遺伝子解析による治療効果予測因子の同定
Project/Area Number |
19790502
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
緒方 啓 Kurume University, 医学部, 助教 (90309766)
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Keywords | C型慢性肝炎 / HCV / 効果予測 / IRES / ペグインターフェロン / リバビリン |
Research Abstract |
12w(+)群(治療抵抗性群)と12w(-)群(治療感受性群)に症例を群分けして、12w(+)群18例、12w(-)群23例の計41例の症例におけるHCV IRES領域の遺伝子変異解析を行った。 (研究成果の具体的内容・重要性) 1. 両群における全体的傾向 12w(+)群ではdomain II(d II)に16箇所、domain III(d III)に20箇所の変異を認めた。一方、12w(-)群全体ではそれぞれ19、43箇所の変異を認め、感受性群ではd IIIへ変異が集中していた。H20年度の研究成果で見出したd III141-252変異は12w(-)群23例中21例に認められ、12w(+)群では18名中6名に認めたのみで(P=0.0001)、改めて強い効果予測因子となりうる可能性が示唆された。 2. 治療抵抗性因子の解析 IRESをstem部位と1oop部位に分けた場合、その二次構造変化に大きな影響を及ぼすのはstem部位と考えられる。そこでstemのみの変異を両群で比較したところ、12w(+)群でd IIに13、d IIIに11箇所の変異を認めたる一方、12w(-)群ではそれぞれ11、30箇所の変異を認めた。即ち12w(+)群においては、よりd II stem部位へと変異傾向がシフトしており、d IIのstem変異は治療抵抗性の因子となりうる可能性が示唆された。 3. Core変異とIRES変異との関連 HCV Core(70/91)変異を、12w(+)群18例、12w(-)群22例で測定してIRES変異との関連をみた。その結果、治療感受性を示す予測因子としてd III141-252変異(+)且つd II stem変異(-)(P=0.003)、さらにd III141-252変異(+)且つCore70Wild(P=0.026)が見出された。
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Research Products
(1 results)