2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790504
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
河村 由紀 Research Institute, International Medical Center of Japan, 消化器疾患研究部, 研究員 (10392391)
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Keywords | 消化管 / 糖鎖 / レクチン |
Research Abstract |
本研究の目的は,正常消化管上皮に発現する糖鎖Sd^a抗原を認識するレクチン分子を同定し,その生理的機能を明らかにすることである。平成19年度は,Sd^a糖鎖の合成に関与する酵素活性をヒト胃癌および大腸癌細胞株に導入することで,Sd^a糖鎖発現細胞株を作製した。Sd^a糖鎖認識分子を発現する細胞を,作製したSd^a糖鎖発現細胞株を用いた接着実験により検索した。その結果,Sd^a糖鎖を発現していない親細胞株は,ヒト大網より単離・培養した正常初代培養中皮細胞に接着しないが,Sd^a発現細胞株はヒト正常初代培養中皮細胞に対して強い接着性を有することが明らかとなった。そこで,ヒト正常初代培養中皮細胞にhTERT遺伝子を導入することで不死化し,株化細胞として樹立したが,不死化ヒト中皮細胞においてはSd^a糖鎖との結合性は失われてしまった。Sd^a発現細胞株と接着性を有していたヒト大網初代培養中の細胞を,組織化学的に検討した結果,中皮細胞にだけではなく,混在しているマクロファージ様細胞にもSd^a糖鎖認識分子が発現している可能性が示唆された。Sd^a糖鎖構造末端にはシアル酸が含まれるため,マクロファージに発現していることが知られている,既知のシアル酸結合性レクチン・シグレックに対するSd^a抗原の結合性を調べた。シグレック3,シグレック5,シグレック7およびシグレック9に対するSd^a糖鎖の特異的結合性は見出されなかった。
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