2007 Fiscal Year Annual Research Report
消化管上皮細胞の細胞間接着におけるインターロイキン13の作用解析
Project/Area Number |
19790505
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
川島 麗 Research Institute, International Medical Center of Japan, 消化器疾患研究部, 協力研究員 (70392389)
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Keywords | 消化器学 / サイトカイン |
Research Abstract |
本研究の目的は、細胞間接着に対するIL-13作用を理解することにある。19年度は、マウス小腸、大腸組織、ヒト大腸粘膜固有層の一次培養、及びマウス消化管上皮細胞の陰窩の形態を保持したままでの単離と短期培養系を作成した。これを用いて、IL-13、IL-4、TNF-α、IFN-γを作用させたときの、細胞間結合分子の変化を染色により観察した。また、ヒト大腸癌細胞株HT29、Caco-2、T84、LOVO、DLD-1、Colo201、Colo320、SW480と用いてIL-13その他のサイトカインを作用させ、同様な解析を行った。その結果、IL-13は細胞間結合分子であるβ-catenin、E-cadherinの細胞膜における染色性を弱めた。また、一次培養でのZO-1染色性に乱れを引き起こしたことからIL-13は細胞間結合を弱める働きがあると推測された。その作用機序として、マトリックスメタロプロテアーゼMMPの関与を考え、IL-13を一次培養組織にIL-13を作用させた組織のザイモグラフィーを行って活性の検出を行ったが、IL-13による特異的なMMPの誘導を示唆する結果は得られなかった。マウス一次培養組織における細胞間結合に対する効果はIL-13に特異的であり、IL-4,IFN-γによる変化は見られなかった。ヒト大腸癌細胞株のうちいくつかにおいても細胞間結合分子に対して同様な結果が得られたが、IL-4の作用としても観察された。TNF-αにより組織障害が認められたが、細胞間結合への影響は明らかではなかった。また上皮細胞との競売用の準備としてIL-4受容体欠損マウスから新生児線維芽細胞の単離を行った。
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Research Products
(4 results)