2008 Fiscal Year Annual Research Report
消化管上皮細胞の細胞間接着におけるインターロイキン13の作用解析
Project/Area Number |
19790505
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
川島 麗 Research Institute, International Medical Center of Japan, 消化器疾患研究部, 協力研究員 (70392389)
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Keywords | IL-13 / IL-4 / 消化管上皮細胞 |
Research Abstract |
マウス消化管の一次培養及び上皮細胞の陰窩の形態を保持したままでの単離と短期培養系を作成した。これを用いて、IL-13及びその他のサイトカインを作用させたときの、細胞間結合分子の変化を染色により観察した。その結果、IL-13は細胞間結合分子の染色性を弱めることから、細胞間結合を弱める働きがあると推測された。20年度は、この結果をもとに、マウス小腸の一次器官培養に、IL-13、IL-4、TNF-αを作用させた後、TUNEL法を用いて、アポトーシスの誘導について解析した。また、カスパーゼ3の活性化をウェスダンブロッティンクによって検出した。 TUNEL法により、IL-4は上皮細胞にアポトーシスを誘導しないが、IL-13は培養液中に添加後4時間で、TNF-αに匹敵する数の細胞にアポトーシスを誘導することが明らかとなった。一方、TNF-αによるカスパーゼ3の活性化は、処理後15分で観察されるのに対して、IL-13によるカスパーゼ3の活性化は約40分後と、遅れることが明らかになった。またこの時点では、TNF-αと同様カスパーゼ8の活性化も観察された。IL-4はカスパーゼ3の活性化をほとんど誘導しなかった。さらに、IL-13はカスパーゼ3の転写レベルもあげることがわかった。以上より、IL-13はIL-4とは異なる作用機転、すなわちIL-4受容体を介するものとは異なる経路でアポトーシスを誘導することが明らかとなった。IL-13は細胞間結合分子の作用を弱めることからアノイキスによる細胞死の誘導を予測していたが、消化管上皮のアノイキスにおいてはカスパーゼ8の活性化はみられないという報告があることから、IL-13の組織傷害の経路において、TNF-αと同様のアポトーシスシグナル経路とのクロストークの存在が示唆される結果となった。
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Research Products
(3 results)