2007 Fiscal Year Annual Research Report
内皮細胞自身が産生する血管新生抑制因子Vasohibinに結合する蛋白の機能解析
Project/Area Number |
19790509
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 康弘 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, COEフェロー (60332277)
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Keywords | 抗血管新生 / 内皮細胞 / 蛋白質分泌 / 微小管 / チューブリン |
Research Abstract |
Vasohibin結合性低分子量蛋白SVBP (Small Vasohibin Binding Protein)の強制発現またはsiRNAによるノックダウンによって、Vasohibin蛋白の局在や分泌が変化するかどうかを調べた。その結果、内皮細胞では、通常多くのVasohibin蛋白が不溶画分(TritonX-100に不溶)にプールされるが、SVBPを強制発現した内皮細胞では、Vasohibinが可溶画分に溶出し易くなり、細胞外への分泌が促進された。逆に、SVBPをノックダウンした内皮細胞では、Vasohibinの不溶画分への集積が促進され、細胞外への分泌が抑制された。また、Vasohibinは内皮細胞の微小管蛋白α-tubulinの脱チロシン化を誘導し、その効果はSVBPによるVasohibinの分泌促進によって間接的に調節されることを見出した。加えて、SVBPに対するニワトリポリクローナル抗体を作製し、免疫沈降法にて培養内皮細胞内および培養液中においてSVBPとVasohibinの複合体を確認すると共に、免疫染色法にてSVBPが細胞内では頂端側(apical)に局在することを確認した。以上の結果からSVBPはVasohibinの細胞外への分泌を調整することで、Vasohibinの機能発現に重要な役割を果たすことが示唆された。一方、Vasohibin結合性膜蛋白質については、膜蛋白質の細胞質側の領域がVasohibinとの結合に重要であることが示唆された。
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