2007 Fiscal Year Annual Research Report
最新の画像診断技術を用いた重症心不全に対する心臓再同期療法の新しい評価法の検討
Project/Area Number |
19790510
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
若山 裕司 Tohoku University, 病院, 助教 (10375082)
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Keywords | 重症心不全 / 心臓再同期療法 / 両心室ページング / 非同期収縮 / 心電図同期心筋血流SPECT / MRI / MDCT / 画像診断 |
Research Abstract |
当院で心臓再同期療法(CRT)を施行、もしくは施行を検討した重症慢性心不全症例に関して、各種画像診断法を施行して以下の結果を得た。 1. CRTを施行した28例に対し心筋血流SPECTを施行し、Quantitative gated SPECT (QGS)解析で左室機能及び局所心筋壁厚変化を検討し、CRT治療後の左室容量縮小(逆リモデリング)効果と心事故発生の関連性に関して検討した。28例中18例ではCRT施行後に左室逆リモデリングを認め、CRTが有効であった。有効例に関して検討すると、有効例ではCRT前の左室局所壁厚変化の局所的なばらつきが大きく、特に左室中隔-側壁間でのばらつきを認めた。CRTはその局所壁厚変化のばらつきを少なくする効果を認めた。CRT有効群ではその後の心事故発生が減少する効果を認め、とくに心不全増悪に伴う入院を減少させた。すなわち、心筋血流SPECT及びQGS解析法がCRT症例の有効性の予測に役立つ可能性が示唆され、より効果の期待される症例の洗濯に有用である可能性が考えられた。 2. CRT施行前の症例10例に対してCRT術前に心臓MRIを施行した。そのうち解析可能だった6例に対し、cine MRIの左室短軸像から局所壁運動を解析した。cine MRIでは左室壁局所の非同期運動が認められた。cine MRIで左室心内膜の内方移動ピーク時間を測定したところ、最も早い移動ピークは常に中隔領域であった。一方、最も遅い領域は側壁〜後壁領域で、一定の傾向を示さなかった。5例でCRT植え込みを施行し、良好な臨床効果を得た。冠静脈の走行を確認するためにMDCTを施行した症例でも、同様の壁運動解析を行い、cine MRIで認めた中隔の早内方運動を確認しえた。MRIやMDCTは術前に左室壁運動の非同期を詳細に観察することが可能であり、CRT効果予測に有用である可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)