2007 Fiscal Year Annual Research Report
肺動脈性肺高血圧症におけるToll like receptorの役割について
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19790513
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
二藤部 丈司 Yamagata University, 医学部, 助教 (30400542)
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Keywords | 肺高血圧症 / 自然免疫 / Toll like receptor |
Research Abstract |
特発性肺動脈性肺高血圧(PAH)は極めて予後不良の疾患であり、詳細な病因、病態は不明な点がいまだ多く有効な治療法も少ない。PAH患者の血中のIL-1βやIL-6などの炎症性サイトカインが上昇していること、肺小動脈において炎症細胞の浸潤が観察されること、ステロイドや免疫抑制剤によって血行動態が改善する症例があることなどから膠原病性肺高血圧や一部の原発性肺高血圧症の発症・進展機序には、免疫異常が関与している可能性が高い。Toll like receptor(TLR)は病原体の菌体成分を特異的に認識し、炎症性サイトカインなどの自然免疫系の活性化に関与しており、PAHの病態に深く関わっている重要な因子であると予測した。今回、TLR-2ノックデウトマウスを用いて、肺高血圧モデルを作成することを試みた。モノクロタリンを腹腔内へ投与したのち、8週後に右室へMicro-Tipカテーテルを穿刺し右室内圧を測定した。しかし、右室圧はwild typeにおいても有意な肺高血圧の所見なく、一方、TLR-2ノックアウトマウスとの差も得られなかった。よって今後は低酸素(10%酸素)による肺高血圧モデルの作成を試みることとし、作成された肺高血圧モデルにおける肺動脈の組織学的な検討、炎症マーカーなどの血清生化学的な検討を加えていく予定である。
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