2008 Fiscal Year Annual Research Report
肺動脈性肺高血圧症におけるToll like receptorの役割について
Project/Area Number |
19790513
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
二藤部 丈司 Yamagata University, 医学部, 助教 (30400542)
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Keywords | 肺高血圧症 / 自然免疫 / toll like receptor / 炎症 / サイトカイン |
Research Abstract |
TLR-2ノックアウトマウスに対してモノクロタリンを投与して肺高血圧モデルを作成し、肺高血圧の程度、炎症性サイトカインの差異について組織学的検討および分子機序を検討することが目的である。生後4週目のTLR-2ノックアウトマウス、wild typeの雄マウスに、週1回モノクロタリン(600mg/kg/week) を皮下注する。8週後に肺高血圧の程度を検討するために、ペントバルビタールを腹腔内投与にて麻酔、人口呼吸管理をおこなったうえで開胸し、Micro-Tipカテーテルを用いて右室内圧を測定する。その後、右室、左室重量を測定し、wildtypeとノックアウトマウス間の肺高血圧および右室肥大の相違の有無を検討する。組織学的検討項目として、モノクロタリン投与8週後に肺を摘出し、ヘマトキシリン-エオジン染色を行い、PAHに特徴的である肺小動脈におけるplexiform lesionの出現の差異ついて検討する。同時に(1)抗Ki-67抗体を用いた血管内皮増殖の程度(2)抗ED1抗体を用いた単球/マクロファージの浸潤の程度を観察する。血中の炎症性サイトカインとしてtumor necrosis factor-α、interleukin-1β、interleukin-6の血中濃度をELISA法を用いて測定する。上記ノックアウトマウスとwild typeマウス間において生存率に差があるのかを検討する。肺動脈性肺高血圧症の病態進展に炎症および免疫反応が関連していると予測されるが、詳細はいまだ不明な点が多い。免疫応答に重要な役割を果たしているtoll like receptorがその病態に関与していることが判明すれば、肺高血圧症の新たな治療のターゲットになると考えられる。
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