2007 Fiscal Year Annual Research Report
KLF5の細胞特異的機能の解明とKLF5作動薬の新規開発
Project/Area Number |
19790518
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 憲文 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 医員 (60436483)
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Keywords | KLF5 / 心肥大 / 心線維化 / 心リモデリング |
Research Abstract |
転写因子KLF5を中心とする心血管リモデリングの分子ネットワークを明らかにするため、KLF5欠損マウス(KLF5-KO)や細胞特異的なKLF5ノックアウトマウスを作成し、圧負荷心肥大モデル(大動脈縮窄モデル;TAC)を用いてin vivo機能解析を行った。心臓組織でのKLF5は線維芽細胞に多く発現しているが、圧負荷後の発現量は線維芽細胞および心筋細胞で共に増大した。KLF5-KOでは圧負荷後の心肥大や心線維化が軽減されたが、これらは線維芽細胞の増殖・活性化の低下、線維化や線維芽細胞に関連した多くの因子(endothelin-I, osteopontin, fibronectionなど)の発現低下などが関連していることが推測された。 過度の心肥大・線維化を伴う適応(心リモデリング)は、心機能の破綻を招き心不全・不整脈死のリスクを増大させる。細胞特異的なKLF5機能を明らかとし、KLF5作動薬の標的細胞・drug delivery system(DDS)の解明・開発を目指すことは、現代の増大する心関連死の抑制に有用な治療標的・治療薬をもたらす。我々はCre-loxPシステムを用いた心筋細胞・線維芽細胞・内皮細胞・マクロファージに特異的なKLF5ノックアウトマウス作成に成功し、同様な圧負荷心肥大後のin vivo機能解析を開始している。これらの解析結果は、心組織細胞の大多数を占める非心筋細胞の、心肥大反応へのin vivo寄与機構も明らかとし、心リモデリングの発症機序における細胞間ネットワークの解明にも役立つことが考えられる。
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Research Products
(4 results)