2007 Fiscal Year Annual Research Report
血管病における細胞分化・形質変換を制御する転写調節機構の解析
Project/Area Number |
19790519
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 剛 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 医員 (20422305)
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Keywords | 転写因子δEF1 / 転写因子SIP1 / 遺伝子発現 / TGFβ |
Research Abstract |
血管平滑筋細胞は外部の刺激に応じてその形質を劇的に変化させ、動脈硬化などの血管病変形成に主要な役割を果たす。研究代表者は転写因子δEF1がTGFβ刺激に応じてSmad, SRFなどの転写因子と協調して作用し、平滑筋細胞の遺伝子発現を制御することを報告した。本研究では、δEF1及び近縁転写因子SIP1の機能及び作用様式を解析し、血管病態形成ならびに心血管系の発生分化の過程で、平滑筋細胞・心筋細胞がどのように外部環境からの情報を受容し、遺伝子発現の調節を行うかを解明し、血管ならびに心臓疾患治療に役立つ情報を得ることを目標とする。平成19年度は、δEF1・SIP1を中心とした転写ネットワークの機能をin vivoで解析するため、δEF1・SIP1のノックアウトマウスと、SIP1コンディショナルノックアウトマウスを獲得し、δEF1・SIP1それぞれのノックアウトマウスの増殖の他、δEF1・SIP1ダブルノックアウトマウスの作成と、心筋及び血管平滑筋特異的Cre発現マウスとSIP1コンディショナルノックアウトマウスの交配を開始し、心・血管系特異的SIP1ノックアウトマウスの作成を開始した。さらに、血管障害あるいはアンギオテンシンIIなどの刺激を加えた状態で、遺伝子発現あるいは組織反応にδEF1・SIP1がどのような影響を与えるか、SIP1ノックアウトマウス、SIP1・δEF1ダブルノックアウトマウスで調査を開始した。
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