2008 Fiscal Year Annual Research Report
血管局所でのオステオプロテグリン制御系を標的とした既存石灰化血管の治療法の探求
Project/Area Number |
19790528
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
白木 里織 Kobe University, 医学研究科, 医学研究員 (50403259)
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Keywords | 動脈硬化 / 血管石灰化 / 血管内皮細胞 / 血管平滑筋細胞 |
Research Abstract |
血管の石灰化、血管平滑筋へのカルシウム沈着のメカニズムは次第にあきらかになりつつあるが、一旦石灰化した病変から石灰化部位を除去するような治療法はないのが現状である。本年度の研究は昨年度に引き続き、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞などの培養細胞を用いて、その細胞外マトリックスに注目してカルシウム存在下での骨形成に類似した形質転換を起こし、形態学的に観察するのと同時に様々な遺伝子発現と蛋白発現がどのような制御をうけているのかを検討することを目標にすすめた。形態学的な変化をin vitroで再現することが非常に困難であり、この系の問題点を再検討した。さらに、条件を変えながら、実験遂行が容易な実験系の確立をめざして研究をすすめたが、in vitroの実験系では困難と判断せざるを得なかった。 そこで、やはり新たにマウスモデルを用いての動脈硬化石灰化のモデルの作成を試み、長期間の高コレステロール食の投与が必要ではあるが、一部に石灰化が認められるモデルは確立できた。 質量分析を用いた実験にすすめるつもりであったが、細胞では困難であったため、上記の生体モデルにて、その血管のサンプルを準備している。 これらの研究結果により、血管の石灰化に関連する遺伝子候補、蛋白候補がいくつか同定されることが期待され、これらのターゲットの一部を治療の候補遺伝子/候補蛋白として石灰化の予防、ひいては石灰化の除去治療につなげていきたい。今後も、一旦石灰化の進行した動脈硬化の治療(次世代の動脈硬化治療)を目指して研究を進めていく。
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Research Products
(1 results)