2007 Fiscal Year Annual Research Report
心臓弁に発現する血管新生・骨形成抑制因子ペリオスチンの機能解析
Project/Area Number |
19790540
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
伯野 大彦 Keio University, 医学部, 助教 (80286476)
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Keywords | 心臓弁 / 血管新生 / VEGF |
Research Abstract |
1.マウス、ラット、ヒト心臓弁におけるペリオスチンの発現 RT・PCR, Western blot および免疫組織染色の結果、ペリオスチンはマウス胎生9.5日より心臓弁特異的に発現しており、以後成獣に到るまで心臓では弁特異的な発現が認められた。また、高齢ApoE遺伝子欠損マウスの心臓弁では石灰化をともなう弁変性をきたすことが知られているが、免疫染色ではこの弁においてペリオスチンの発現は有意に亢進していた。さらにヒト正常弁、変性弁(加齢変性あるいはリウマチ性)各8〜15例の免疫染色を行ったところ、変性弁では正常弁に比してコンドロモジュリンーIの発現低下、ペリオスチンおよびVEGFの発現亢進および毛細血管密度の増加が認められた。興味深いことに、ペリオスチンと弁における血管新生抑制因子であるコンドロモジュリンーIとの発現はお互いに排他的であり、正常弁ではペリオスチン、コンドロモジュリンーIの発現はそれぞれ表層の内皮細胞直下、弁中心部に認められ、ペリオスチンの一部はコラーゲンIと共発現していた。 2.ペリオスチン蛋白のin vitro機能解析 組み換え型ヒトペリオスチン蛋白を用いて、ヒト冠動脈内皮細胞の血管腔形成能および遊走能におよぼす影響を解析した。それぞれMatrigel[○!R]でコートした24ウェル、24ウェルのmodified Boyden chamberを用いて解析を行った結果、ペリオスチン蛋白刺激により血管腔形成能、遊走能はそれぞれ87%、73%と有意に増加し、ペリオスチンの血管新生作用が示された。 VEGFとの相乗作用は認められなかった。
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