2007 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性心筋症における低分子量G蛋白質の役割、意義について
Project/Area Number |
19790541
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村田 光繁 Keio University, 医学部, 助教 (30317135)
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Keywords | 低分子量G蛋白質 / カルシウムチャネル / 細胞内カルシウム濃度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、低分子量G蛋白質Radの情報伝達系を同定し心臓における役割・意義を解明することである。 代表者は、前年度に引き続きドミナントネガティブ変異型Radを心臓特異的に発現したトランスジェニック(TG)マウスの表現形解析及び機能解析を行った。TGマウスでは活動電位持続時間やQT間隔などの延長を認め、さらに、24時間心電図記録で洞機能不全や心室性不整脈の出現が確認されたことから、心筋細胞の興奮収縮連関に異常を来している可能性が考えられた。そこで、共焦点レーザー顕微鏡を用いて細胞内カルシウム動態を検討した。まず、コラゲナーゼ処理によりTGマウスの心室筋細胞を単離し、カルシウムイオンのインジケーターであるFlou-4AMを細胞に投与した。細胞を電気刺激しながら細胞内カルシウム濃度の変化(カルシウムトランジエント)をline scan イメージ法で記録した。TGマウスの単離細胞では野性型マウスと比較し、有意にカルシウムトランジエントの振幅が増加していた。さらに、細胞内カルシウム過負荷時に出現するカルシウムウェーブの出現頻度も増加しており、筋小胞体に存在するカルシウム放出チャネルの活性化が示唆された。TGマウスでは、筋小胞体に存在するリアノジン受容体のプロテインキナーゼAのリン酸化が亢進していたことから、リアノジン受容体からのカルシウム放出が促進していた可能性が示唆された。これらの結果から、RadがL型カルシウムチャネルのみでなくリアノジン受容体を修飾することにより催不整脈効果をきたしていると考えられた。
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Research Products
(2 results)