2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト成体における血管形成機構の解明及び血管内皮前駆細胞の体外増幅法の開発
Project/Area Number |
19790542
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
和田 美夏 Nihon University, 医学部, 助教 (90420950)
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Keywords | Notch / EPC |
Research Abstract |
EPCの起源は骨髄であり、in vitroで骨髄の場を再現するために骨髄系のストローマ細胞株HESS-5を用いた。HESS-5ストローマ細胞は造血幹細胞の維持・増殖能をもつと報告されているが、Notchリガンドの発現はない。はじめに、これにNotchリガンドであるhJagged-1,hDll-1を導入することにより、Notchシグナル伝達がおこることを確認した。さらに、臍帯血由来CD133陽性細胞をNotchリガンド導入HESS-5上でSCF,FLT-3,TPO,VEGF,IL-6を加えて1週間培養したところ、hJagged-1刺激CD133細胞は、未分化EPCであるCD34+/CD133+細胞や、血管内皮であるCD31+/KDR+細胞が非刺激細胞に比べ1.5倍に増加した。逆にhDll-1刺激細胞のCD31+/KDR+細胞は半分に減少した。これらの相違は、NotchシグナルによるものであることをNotch阻害剤添加により確認した。また、hJagged-1刺激CD133細胞では、hDll-1刺激細胞に比し、血管内皮マーカーであるVE-cadherinやeNOSのmRNA発現が増加し、EPCコロニーアッセイでもより未分化なEPCコロニーを数多く形成する傾向がみられた。 以上より、EPCに対するNotchシグナル刺激はそのリガンドにより効果が異なり、hJagged-1ではEPCへの分化増殖が増強され血管新生能が増加するが、hDll-1ではむしろ減少することが示された。hJagged-1によるEPCの刺激は、EPCの体外増幅や血管新生能増強につながり、細胞治療の応用を広げる手段となることが判明した。
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