2010 Fiscal Year Annual Research Report
左室拡張能と炎症反応性蛋白による心房細動、脳梗塞の予測と予後に関する検討
Project/Area Number |
19790544
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
宮坂 陽子 関西医科大学, 医学部, 講師 (10343675)
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Keywords | 左室拡張能障害 / 心房細動 / 脳梗塞 / 心エコー / 肥満 |
Research Abstract |
左房サイズの拡大など、左室拡張能障害は心血管系イベントの独立した危険因子であるとして現在注目されている。関西医科大学附属枚方病院は平成18年1月から電子カルテシステムを導入し、病院内の全科の医師・看護師記録、検査データ、画像所見、また関西医科大学附属滝井病院、地域医療連携による家庭医の情報といった患者情報すべてが1つの病歴に集積され、対象患者の基礎データ、長期にわたる経過観察が可能である。そこで我々は、経胸壁心臓超音波検査を予定された成人洞調律1,102人の対象患者の経過を追い、虚血性心疾患、心不全、脳梗塞、心血管死を含めた心血管系イベント発症の有無を前向きに調査した。心血管イベントはFraminghamの定義を使用し、多変量Cox比例ハザードモデルにより心血管イベントの独立した予後予測因子を検討した。対象患者1,102例(平均年齢61±15歳、男性50%)のうち、平均観察期間19±14ヶ月で40例(4%)に心血管イベントが発症した。多変量Cox比例ハザード解析で、高齢、糖尿病、慢性腎臓病、左室収縮性の低下に加え、左房サイズの拡大は心血管イベントの独立した危険因子であった(ハザード比=1.4、95%CI=1.1-1.7、P=0.001)。日本人患者において従来の動脈硬化の危険因子に加え、左房サイズの拡大は心血管イベントの独立した危険因子として予後予測に有用な指標であると考えられる。
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Research Products
(3 results)