2007 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈不安定粥腫に対するアトロバスタチンの粥腫安定化効果の検討
Project/Area Number |
19790545
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
藤井 健一 Hyogo College of Medicine, 医学部, 助教 (90434943)
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Keywords | 冠動脈不安定プラーク / 急性心筋梗塞 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
高い画像解像度を有するOptical Coherence Tomography(OCT)を用いて今まで検出が困難とされてきた不安定冠動脈粥腫の主体である、脂質コアの正確な検出と薄い繊維性被膜を定量的に測定し、それら将来の急性冠症候群発症に寄与すると推測される冠動脈プラーク成分がHMG-CoA阻害剤のアトルバスタチン投与にてどのように変化するかを調べる目的で本研究を行っている。現在のところ40人の急性心筋梗塞患者を登録し、その内35人には冠動脈責任病変以外の冠動脈3枝すべてにOCTおよび血管内超音波検査(IVUS)を施行することができ、解析可能なOCTおよびIVUSデータを得ることができた。また、全ての登録患者の血中high sensitive CRP濃度やInterleukin 6濃度を測定することができた。Baselineの手技で得られたOCTデータを解析すると、35人の急性心筋梗塞患者の内薄い繊維性被膜を有する冠動脈不安定プラーク(Thin-cap fibroatheroma: TCFA)は27人(77%)にみられ、それらの繊維性被膜厚の平均は57.4±5.4μmであった。責任病変以外の部位にもTCFAが認められたのは27人(77%)で、右冠動脈に多く分布していた。35人の登録患者を18人の高容量アトルバスタチン(20mg/日)投与群と17人の低用量アトルバスタチン(5mg/日)投与群に無作為に振り分けて現在1年後のFollow-upが始まるところである。本年度は登録した患者全てに対して1年後に再度OCTおよびIVUSを行い、プラーク体積、繊維性被膜厚、Lipid poolの最大角度の変化を観察する予定である。
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