2008 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈不安定粥腫に対するアトロバスタチンの粥腫安定化効果の検討
Project/Area Number |
19790545
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
藤井 健一 Hyogo College of Medicine, 医学部, 助教 (90434943)
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Keywords | 冠動脈不安定粥腫 / 急性心筋梗塞 / HMG-CoA阻害剤 |
Research Abstract |
平成20年に登録した35名の患者(18人の高容量アトルバスタテン(20mg/日)投与群と17人の低用量アトルバスタチン(5mg/日)投与群)の内、2名が非心臓死、3名が追跡不能(住居の移動など)、2名がFollow-upのIVUSおよびOCT検査を拒否にてFollow-up不可能となったが、残りの28名に対して登録から1年後にFollow-upのOCT(光干渉断層画像)およびIVUS(血管内超音波)検査を施行した。結果は高用量のアトルバスタチンと低用量のアトルバスタチンでLDLコレステロールの変化率には意な差を認めたが、high-sensitive CRPをはじめとする血中のバイオマーには有意な差を認めることができなかった。また、IVUSで計測された冠動脈プラークの体積、OCTで計測された繊維性膜厚の変化(3.3±6.2 vs. 4.1±7.1μm)、Liid pool最大角度の変化(12±22 vs. 11±19°)には両群間で有意な差を認めることができなかった。 以上の結果および平成20年に得られた結果よりアトルバスタチンの投与にて冠動脈不安定粥腫の持っ繊維性被膜厚やヒコのサイズを縮小させることができず、HMG-CoA阻害剤の持っ冠動脈不安定粥腫の安定化作用に関しては解明することができなかった。しかしながら、これまで生体内では検出不可能とされていた冠動脈不安定粥腫をOCTで検出することが可能となり、それら冠動脈不安定粥腫は冠動脈の特定の部位に分布していることがわかった。本研究により発症後の治療には高額の医療費が必要となる急性心筋梗塞の発症を未然に防ぐことができ、それにより総医療費の削減にも大きく貢献できるとものと考えられる。
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