2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胚性幹細胞における心筋分化細胞の単離技術の開発と再生医療への応用
Project/Area Number |
19790547
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
高橋 知之 Kurume University, 高次脳疾患研究所, 准教授 (20332687)
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Keywords | ヒトES細胞 / 心筋分化・発生 / 再生療法 |
Research Abstract |
<研究の目的> 我々は、胚性幹(ES)細胞による難治性循環器疾患の再生医療技術開発を目指したマウスES細胞における心筋分化誘導法(Kawai-T, Takahashi-T, et.al. '04 Circ J. )、ならびにES細胞由来心筋分化細胞の同定・単離技術の開発(Adenoviral cocditional targeting法)を行ってきた(Takahashi-T, et.al. '06Mol. Ther. )。本研究課題では、マウスES細胞研究において培ってきた分化誘導法や目的細胞の同定・単離技術をヒトES細胞において応用する事によって、ヒトES細胞による再生医療技術開発を目的としている。 <研究実績の概要> 前年度までに、ヒトES細胞に対するアデノウイルスベクター(Ad)の有用性は確認していた。本年度は、遺伝子導入効率を上げるためにファイバー変異型Adによる遺伝子導入の評価を行った。その結果、ヒトES細胞は培養のために支持細胞を必要とするが、ファイバー変異型Adはその支持細胞に吸着されて、非特異的な遺伝子導入が増加する事が示された。そこで、支持細胞を除いた浮遊系でAdによる遺伝子導入を行なうシステムの開発を行ない、確立に成功した。本研究課題において、確立したAdによる遺伝子導入技術や、プロモーターの選別の重要陸は、ヒトES細胞におけるAdenoviral conditional targeting法の応用に役立つのみならず、今後の再生医学研究における遺伝子導入技術に応用可能な研究成果であると思われる。
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