2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しい共役刺激分子ブチロフィリンライク2の抗原特異的IgE応答における役割
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19790550
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
高橋 大輔 Aichi Medical University, 医学部, 助教 (00431370)
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Keywords | ブチロフィリンライク2 / 6P21 / アレルギー / 一塩基多型 / ハプロタイプ / 連鎖不平衡 / ダニ抗原特異的IgE応答 / アミノ酸変異 |
Research Abstract |
ダニ抗原は、アレルギー性疾患において最も頻繁に遭遇するアレルゲンの一つであり、複数のゲノム解析の結果から染色体6p21領域と、ダニ抗原特異的IgE応答との相関が指摘されている。ブチロフィリンライク2(BTNL2)は6P21領域に存在する遺伝子の一つで、分子構造はB7-1と相同性くぉ有しており、T細胞の活性化に関与すると考えられている。BTNL2遺伝子に存在する機能的一塩基多型(SNP)とサルコイドーシス発症との関連が報告されるなど、注目されている。BTNL2の機能低下をもたらすと報告された機能的一塩基多型rs2076530(A/G多型、Aが機能低下に関与する)は、サルコイドーシス発症に関連するのみならず、我々の、当初の検討で、ダニ抗原に対する特異的IgE抗体が陽性となるオッズ比が1.56(p=0.0051)と有意に高く、ダニ抗原特異的IgE応答とも関連する可能性が考えられた。このため、BTNL2の遺伝子データベースに基づき、さらに2つのSNPを選択(1つはコーディングSNP、もう1つはイントロンSNP)し、863人の非血縁日本人(Der f2抗原特異的IgE陽性447名、陰性416名)について、症例対照研究を行った。年齢、性別、喫煙歴、喘息の有無で補正すると、サルコイドーシス発症のリスクと報じられたrs2076530のAAホモ型はオッズ比1.55(p=0.0060)でDer f2に対する抗原特異的IgE応答のリスクとなっていた。Rs2076530Gを含むハプロタイプの一つは、Der f2特異的IgE応答が低いことと有意にそうかんしていた(p=0.019)従って、HLA-DRやTNF-α、TAPなど近傍に位置する遺伝子の相互作用やBTNL2自身の機能解析を進めていく必要もあるが、現段階では、BTNL2はダニ抗原特異的IgE応答に関与する遺伝子の一つである可能性がある。本研究を通じて、BTNL2がアレルギー性疾患と関連があることを初めて報告できた。
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