2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790551
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福原 達朗 Tohoku University, 病院, 助教 (80400365)
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Keywords | SLPI / アディポカイン |
Research Abstract |
SLPI(secretory leukoprotease inhibitor)は、気管分泌液中のエラスターゼインヒビターの主要成分の一つである。SLPIは炎症が過剰に広がり、肺自体を破壊しないように、トリプシン、キモトリプシン、カテプシンGなど蛋白分解酵素の活性を阻害し、炎症をコントロールする役割を担っている。当教室で作成されたSLPIノックアウトマウスは、エンドトキシンショックに対して感受性が高いことを、われわれはこれまで報告しており、通常の飼育環境においても細菌感染も発生しやすいことが明らかとなった。 細菌感染が慢性的に存在することより、SLPIノックアウトマウス肺のホモジェネイトと野生型C57B1/6マウスの肺ホモジェネイトを比較すると、SLPIノックアウトマウス肺において転写因子NfkBが活性化しており、核内移行した量が多いことが明らかとなった。以上より恒常的に炎症の状態となっていることが明らかとなり、この傾向は肺以外の臓器にもあると考えられ、それが以下に述べる血糖値の変化と関連している可能性が示唆される。 また、生後8ケ月のマウスSLPI-KOと野生型の血清中の16時間絶食後の空腹時血糖を測定すると、SLPI-KOの方が高い血糖値を示すことが明らかとなった。一方コレステロール値や中性脂肪はSLPI-KOの雌で低値を示す傾向があることが明らかとなった。雄に関しては、そのような傾向は認められなかった。マウスの飼育条件を変更してさらに解析をすすめる方針である。
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