2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790551
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福原 達朗 Tohoku University, 病院, 助教 (80400365)
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Keywords | SLPI / cell senescellce |
Research Abstract |
SLPI(secretory leukoprotease inhibitor)は、気管分泌液中のエラスターゼインヒビターの主要成分の一つである。SLPIは炎症が過剰に広がり、肺自体の破壊を防ぐため、蛋白分解酵素の活性を阻害し、炎症をコントロールする役割を担っている。当教室で作成されたSLPIノックアウトマウスは、エンドトキシンショックに対して感受性が高く、ストレスに弱いと考えられている。生後8ヶ月のマウスSLPI-KOと野生型の血清中の16時間絶食後の空腹時血糖を測定すると、SLPI-KOの方が高い血糖値を示す傾向が明らかとなった。一方コレステロール値や中性脂肪はSLPI-KOの雌で低値を示す傾向があることが明らかとなった。雄に関しては、そのような傾向は認められなかった。これらのマウスの肝組織をホルマリン固定後、Hematoxilin-Eosin染色で構造を確認したが、差は認められなかった。 In vitroの実験系の樹立のため、肺胞上皮細胞のモデル細胞株として用いられるA549にレトロウィルスベクターを用い、SLPIを強制発現させる細胞株A549-SLPIを樹立した。本細胞株の細胞増殖能は野生型と比較して増加傾向を認めた。遊走能について検討するため、scratch assayを施行したが、差は認められなかった。また、insuhnやinsulin-like growth factor receptor(IGFR)によるsignalが細胞老化(cellsenescence)を誘導することが知られており、A549にBleolnycin刺激を加えcell senescenceを誘導し、ヒトリコンビナントSLPIを添加することでのsenescence associatedbeta-galactosidaseの活性を観察したが、差を認めなかった。SLPIの肺胞細胞に対する影響については更に検討する必要がある。
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