2008 Fiscal Year Annual Research Report
肺線維症の病態解明:デフェンシンと大気汚染の影響に関する検討
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19790562
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
坂本 憲穂 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30448493)
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Keywords | デフェンシン / PM10 / 肺線維症 / 大気汚染物質 / 肺胞上皮細胞 / 肺線維芽細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、デフェンシンや大気汚染物質が肺線維化に関わる機序を検討することである。方法は肺胞マクロファージや肺胞上皮細胞、肺線維芽細胞などの肺内細胞を用い、デフェンシンや大気汚染物質(PM10)を中心とした刺激に対する炎症性・線維化関連メディエーターの産生機序を明らかにすることによる。本年度我々は下記の点を明らかにした。1) PM10刺激による肺胞マクロファージおよび気道上皮細胞からの炎症性メディエーター産生において、コレステロール降下剤として知られるアトルバスタチンが肺胞マクロファージを介した抑制効果を持つことを証明した。PM10刺激によるメディエーター産生は動脈硬化の促進因子として知られているが、スタチンがコレステロール降下以外の作用によりその予防効果を持つ可能性を示した。2) 主に好中球から産生されるαデフェンシンが、気道上皮細胞および肺線維芽細胞からのメディエーター産生に関して異なる作用を持ち、肺線維芽細胞を介した線維化の促進に関わる可能性を示した。この中でデフェンシンは肺線維芽細胞から線維化促進因子を、気道上皮細胞から炎症促進因子の産生を促進することが示され、デフェンシンの様々な作用を示した。3) 同様にPM10が気道上皮細胞に作用し、線維化に関与する因子(TGF、TNF)の産生を亢進させることを示した。これらの成長因子は線維芽細胞に対してコラーゲンの産生や筋線維芽細胞への形質転換をきたすことにより、肺線維化に関与している可能性を示した。
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