2007 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧における中枢性昇圧機序-脳内酸化ストレスを介した交感神経活動亢進-
Project/Area Number |
19790575
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 恵 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (50447405)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 生理学 / 内科 / 脳・神経 / 酸化ストレス / 食塩 / 交感神経活動 / メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
【目的】食塩感受性高血圧の昇圧機序に、脳内酸化ストレスを介した中枢性交感神経活動亢進が関与している可能性を検討した。【方法】高食塩食(8%食塩)もしくは普通食(0.4%食塩)で4週間飼育した9〜10週齢の雄Dahl-S(食塩感受性)ラットおよびDahl-R(食塩抵抗性)ラットを用いた。抗酸化剤tempolを、ウレタン麻酔下、人工呼吸下でラットの側脳室に投与した際の、血圧、心拍数、腎交感神経活動の変化を観察し、その反応の程度を4群ラットで比較検討した。また摘出した脳視床下部における酸化ストレスをルシジェニン化学蛍光発光法により測定し、さらにNADPH oxidase subunits mRNAの発現をrea1-time RTPCR法にて定量した。【成績】薬剤投与前の平均血圧は、高食塩食Dah1-Sラットにおいて他群に比較し有意に高値であった。血圧、心拍数、腎交感神経活動のいずれも、tempol側脳室投与により容量依存性に抑制された。その反応の程度は、高食塩食Dahl-Sラットにおいて他群ラットに比較し有意に大きかった。高食塩食Dahl-Sラットの血圧をhydralazineにより正常化しても同様の結果であった(p<0.05)。さらに、視床下部由来の酸化ストレス値、またNADPH oxidase subunit発現量は高食塩食Dahl-Sラットにおいて有意に亢進していた(p<0.05)。【結論】食塩感受性高血圧では、食塩負荷によるNADPH oxidase活性亢進を介した脳内酸化ストレス上昇が、中枢性交感神経活動亢進をもたらし昇圧に至る可能性が示唆された。【展望】食塩感受性高血圧はメタボリックシンドロームとオーバーラップすることが多く、共通の背景として脳内酸化ストレスを介した交感神経活動の亢進が関与している可能性を、高脂肪負荷ラットを用いてさらに追求していきたい。
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