2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞培養下におけるβ2-ミクログロブリン関連アミロイド線維形成の機序解明
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19790577
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山本 卓 Niigata University, 医歯学総合病院, 医員 (70444156)
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Keywords | β2-ミクログロブリン / 透析アミロイドーシス / 滑膜細胞 / IL-6 / TNF-α / チオフラビンT / 電子顕微鏡 / AGE |
Research Abstract |
本研究では、申請者らの今までの研究成果を基にin vitroにおけるβ2-ミクログロブリン(β2-m)アミロイド線維形成のメカニズムとその促進ならびに阻害因子を明らかにすることにより、透析関連アミロイドーシスの発症機序の解明と治療薬開発を目指すものである。これらの成果を通して、最終的には透析関連アミロイドーシスの新たな予防法・治療法の開発に貢献することを目標とする。 本年度研究期間内にβ2-mモノマーとヒト線維芽細胞を反応させ、IL-6、TNF-αなどの炎症性サイトカインの放出とその機序および特徴について明らかにすることを目標とした。ヒト滑膜細胞を培養し、培地にリコンビナントβ2-mを添加し培養した。培養液に増加するIL-6,TNF-αなどの炎症性サイトカインをELISA法、mRNAをリアルタイムPCR法にて測定したが、大きな反応を認めなかった。次に正常β2-mモノマーをAGE化したβ2-mに代えて同様の研究を行い、培養液中のIL-6の増加を認めた。しかし、反応後の培養液を用いてβ2-mアミロイド線維伸長反応の促進効果について蛍光色素チオフラビンTを用いた定量、電子顕微鏡での観察を行ったが、明らかな促進効果を認めなかった。今後は、AGE化したβ2-mの添加する量、反応時間を変更し、反応が最大に現れる条件を設定する。その条件で培養液を用いたβ2-mアミロイド線維形成・伸長反応の促進効果について確認したい。そのうえで培養中の線維伸長反応も行う予定である。以上の結果をまとめて透析関連アミロイドーシスにおけるβ2-mアミロイド線椎形成・伸長反応のメカニズムを明らかにし、本症の治療、あるいは予防となりうる因子、薬物を開発したい。
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Research Products
(3 results)