2007 Fiscal Year Annual Research Report
腎交感神経機能制御に関わる遺伝因子の解析-高血圧コンジェニックラットを用いて
Project/Area Number |
19790582
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
王 涛 Shimane University, プロジェクト研究推進機構, 研究員 (80437558)
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Keywords | 腎交感神経機能 / 高血圧遺伝子 / 自然発症高血圧ラット |
Research Abstract |
本研究は、ラット第1染色体に存在する高血圧遺伝子の機能を解明するために、高血圧遺伝子の存在する領域を高血圧モデルラットSHRSPと対照ラットWKY間で入れかえた2種類のコンジェニックラット(SHRSPwchl.0,WKYpch1.0)を用いて、腎生理機能、とくに交感神経系による制御機構に当該染色体領域が与える影響について検討することを目的としている。20年度には、上記2系統のコンジェニック系統に加えてWKY,SHRSPを用いてRBF,RVR,GFR,FF.UV,UNa,FFNaなどの腎機能パラメータを比較するとともに、フェノール塗布により腎交感神経を除神経した際の腎機能への影響について検討を加えた。その結果、高血圧遺伝子領域を入れかえることによって、RVRに有意な変化がみられたが、FFNaには差が見られなかった。除神経の影響は、興味深いことに、当該領域にSHRSP型を持っている2系統(WKYをベースにこの領域をSHRSPに置き換えたWKYpch1.0とSHRSPそのもの)のみで確認でき、RVRの有意な減少とFFNaの有意な上昇が見られた。他の2系統では除神経による有意な変化はなかった。このことから、ラット第1染色体上の高血圧遺伝子存在領域には、交感神経による腎機能制御調節にかかわる遺伝子が存在することが明らかになった。つぎに、この遺伝子の存在領域をさらに狭めることを目標に同染色体領域を細かく分割して作成したコンジェニック系統を用いて、寒冷ストレスに対する反応性の比較を開始し、現在継続している。れによって充分に狭い範囲に遺伝子存在領域を狭めることができれば、責任遺伝子同定にっながるものと期待できる。
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