2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790584
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中島 歩 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 研究員 (40448262)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 再生医療 / 人工透析 / 腹膜透析 / 腹膜硬化症 |
Research Abstract |
腹膜透析の最大の弱点は、透析液の貯留によって腹膜中皮細胞が障害を受け、腹膜が肥厚し線維化する事である。そこで、自己骨髄(間葉系)幹細胞を用いた組織再生の技術を応用して、腹膜中皮細胞を再生し腹膜機能の回復を図ることを目的とした。 (1)ラット腹膜線維化モデルの作成:ラットの腹腔内に0.1%グルコン酸クロルヘキシジン+15%エタノール生食液を、連日、3週間投与し、その後、3週聞後まで、経時的に腹膜肥厚の程度を計測した。また、採取した腹膜組織におけるTGF-β1、α-SMA、ED-1などの発現を免疫組織化学法にて確認した。腹膜肥厚は、投与3週後に有意に増強した。しかし、予想に反して、腹膜肥厚は投与中止後も次第に増強し、TGF-β1、α-SMA、ED-1などの発現も次第に増強していた。さらに、経過中に被嚢性腹膜硬化症をきたすラットも認めた。 (2)幹細胞による腹膜硬化症の改善効果の検討:上記の腹膜硬化モデルへ、健常なラットより採取・培養した幹細胞を腹腔内へ投与した(計2回)。しかし、腹膜肥厚を抑制するには至らなかった。上記のモデルでは障害が強すぎるためと考えられた。このため、ラット腹膜硬化モデルの作成中に、腹腔内でなく静脈投与で、培養した骨髄幹細胞を投与する方法へ切り替え、ラットの腹腔内に0.1%グルコン酸クロルヘキシジン+15%エタノール生食液を、連目、3週間投与した時点での腹膜肥厚を評価することとして、現在、実験を継続中である。
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