2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本人型シスチン尿症の病因解明の鍵を握るシスチン輸送体結合蛋白質の同定とその役割
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19790590
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
木村 徹 Kyorin University, 医学部, 助教 (30433725)
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Keywords | タンパク質間相互作用 / シスチン尿症 / トランスポーター / アミノ酸輸送体 |
Research Abstract |
シスチン尿症は、腎近位尿細管管腔側のシスチントランスポーターBAT1/rBATの遺伝的変異によって生じる常染色体劣性の疾患である。日本人のシスチン尿症変異は、欧米人のものとは大きく異なり、欧米人では見出されていないBAT1のC-末端の変異P482Lが、日本人症例の約85%を占めている。P482L変異は、トランスポータータンパク質のC-末端細胞内ドメインにあり、基質結合や基質輸送に直接は関与しないと考えられる部位の変異である。これは、この部位でのタンパク質間相互作用が当該トランスポーターの機能活性にとって重要であること、またそのタンパク質間相互作用の障害がP482Lの病態を引き起こすことを示唆している。そこで、BAT1のC-末端に結合し、P482L変異体には結合しないタンパク質の探索を行った。まず、免疫沈降法やGST-pull down法を用いて、BAT1に結合するタンパク質複合体を精製し、SDS-PAGEにてタンパク質の分離を行った。クーマシー染色や蛍光染色によって得られたタンパク質バンドを切り出し、高速液体クロマトグラフィーと質量分析計を組み合わせてタンパク質の同定を行った。その結果、HSP-70, RACK-1, rBAT, garectin 3 binding proteinなどがBAT1の結合タンパク質として得られた。しかしながら、それらのタンパク質についてP482L変異体との結合実験を行った所、このP482L変異体と結合しないタンパク質は見いだされなかった。
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