2007 Fiscal Year Annual Research Report
特異的阻害薬、遺伝子操作動物によるアルドステロン臓器障害でのNFκBの役割の検討
Project/Area Number |
19790592
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福田 誠一 Keio University, 医学部, 助教 (50338026)
|
Keywords | アルドステロン / NF_kB / 腎障害 |
Research Abstract |
アルドステロンは特異的受容体を介し臓器障害を生じるが、我々の検討でその発症に上皮性ナトリウムチャネルの関与は小さく、種々のサイトカインや酸化ストレスに重要な役割をもつ情報伝達系のNF_kB関連遺伝子の重要性が示唆されている。 NF_kBは通常細胞質内でp65、p50の2量体がI_kBと結合した状態だが、刺激下ではI_kBキナーゼが活性化され、I_kBをリン酸化し、p65、p50が遊離し核内へ移動し転写開始される。医薬分子設計研究所が開発、臨床応用を進める特異的I_kBキナーゼβ阻害薬のIMD1041を用い、アルドステロン拮抗薬とNF_kB阻害薬の効果の相違の検討を以下のモデルで行った。 6週齢雄性Wisterラットの片腎摘出し、1週後に尾静脈より抗Thy1.1抗体(1-22-3)を投与し、慢性腎炎モデルである不可逆性Thy1腎炎モデルを作製し、無治療群、アルドステロン拮抗薬であるspironolactone(200mg/kg)、IMD104l(l00mg/kg)を投与した3群に分け、10週間観察した。無治療群、IMD1041群はspironolactone群と比べ、有意な血圧上昇を認めたが、尿蛋白は無治療群に対し、spironolactone群は減少したがIMD1041群は減少を認めず、この慢性腎炎モデルではIMD1041の有用性を認めなかった。一方6週齢雄性Wisterラットの片腎摘出し、浸透圧ミニポンプでアルドステロン持続注入(0.75 μg/hr)及び1%NaCl飲水を行いアルドステロン注入モデルとし、上記と同様に3群に分け、4週間観察した。無治療群、IMD1041群はspironolactone群と比べ、有意な血圧上昇を認め、蛋白尿は無治療群で有意に増加したが、IMD1041群、spironolactone群では無治療群に比べ有意に減少を認めた。
|