2008 Fiscal Year Annual Research Report
特異的阻害薬、遺伝子操作動物によるアルドステロン臓器障害でのNFκBの役割の検討
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19790592
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福田 誠一 Keio University, 医学部, 助教 (50338026)
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Keywords | アルドステロン / NFκB / 腎機能障害 / 心機能障害 |
Research Abstract |
アルドステロンは特異的受容体を介し臓器障害を生じるが、これまでの我々の検討でその発症に上皮性ナトリウムチャネルの関与は小さく、種々のサイトカインや酸化ストレスに重要な役割をもつ情報伝達系のNRB関連遺伝子の重要性が示唆されている。NFκBは通常細胞質内でp65、p50の2量体がIκBと結合した状態だが、刺激下ではIκBキナーゼが活性化され、IκBをリン酸化し、p65、p50が遊離し核内へ移動し転写開始される。アルドステロンの直接の臓器障害におけるNFκBの役割の検討を以下のモデルで行った。 リン酸化部位を欠失するIκB(IκB△N)のcDNAとその上流にlox Psiteによりはさまれたstop codonを組み込んだベクターをtransgeneしたマウスであるloxP-IκB△Nーマウスと細胞・組織特異的Cre-recombinase発現マウスと組み合わせることにより10xP siteにより囲まれたstop codonが切り出され、NFκB活性化に必要なリン酸化部位を欠失するIκB△Nを発現して、Cre-recombinase発現細胞特異的にNFκB活性化を抑制したマウスを作成できる。今回MHC-Creマウスと、loxP-IκB△Nーマウスを交配し、心筋特異的にNFκBを阻害したマウス(TGマウス)を作成した。野生型マウスとTGマウスを各々コントロール群、アルドステロン持続注入(0.75μg/hr)及び1%NaCl飲水を行った群の計4群に分け、4週間観察した。アルドステロン投与群は共に尿中アルブミン排泄量の増加を認めた。一方心臓においてアルドステロンによる心機能悪化及び心臓での炎症、線維化マーカーの発現増加はTGマウスにおいて野生型マウスと比べ軽減を認めなかった。すなわち前年度の結果とあわせると、アルドステロンによる臓器障害は腎臓ではNFκBの活性化が関与しているが、心臓においては中心的役割を果たしていないことが推測された。
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Research Products
(1 results)