2009 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病における糖タンパクの早期診断マーカーとしての臨床応用の検討
Project/Area Number |
19790605
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
谷口 美也子 Tottori University, 医学部, 助教 (50335527)
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Keywords | アルツハイマー病 / 糖タンパク質 / 診断マーカー |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)の生物学的診断マーカーの新たな候補タンパクとして、糖タンパク質について解析を行った。最も有力な候補であるトランスフェリンは、髄液中・血液中共に糖鎖が変化していることを既に明らかにしている。また、昨年度にはさらに2種の糖タンパクを同定し、そのうち1種ではADの血液中で糖鎖が変化している可能性を見いだした。 今年度は、糖鎖変化の見られた1種の糖タンパクについて多数例において血中の糖鎖量を測定した。糖鎖の測定方法としてレクチンを用いたレクチン酵素免疫法による測定が有効であることを明らかにし、簡易測定法を確立した。この方法によって、多数例の症例において血中糖タンパクの糖鎖量を測定した結果、糖鎖の構成糖であるマンノース、N-アセチルグルコサミンいずれにおいてもADで減少していることを見い出した。また、髄液中と血液中の糖タンパクの糖鎖量は相関があることも明らかとなった。今後は、重症例との比較検討やAD以外の認知症との鑑別診断の可能性を検討すると共に、異常構造の部位を特定する予定である。また、残り1種の糖タンパクについても少数例の検討で糖鎖量が変化している可能性を見い出している。今後、多数例での検討を行う予定である。 トランスフェリンについては、レクチン(特にWGA)によるレクチン酵素免疫測定法が当初確立が困難であったが、測定条件などを検討しWGAによるN-アセチルグルコサミン量の測定系が確立しつつある。今後は、測定条件を決定して実際に髄液・血液での糖鎖量の測定を行う予定である。
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Research Products
(6 results)