2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病における糖タンパクの早期診断マーカーとしての臨床応用の検討
Project/Area Number |
19790605
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
谷口 美也子 鳥取大学, 医学部, 助教 (50335527)
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Keywords | アルツハイマー病 / 血液診断マーカー / 糖鎖 / 脳神経疾患 / 糖タンパク質 |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)の血液中で糖鎖に異常があることが判っている2種の糖タンパクについて、糖鎖量の測定を行い、診断マーカーとしての有効性を検討した。 1種の糖タンパクは、昨年度すでにマンノース量とN-アセチルグルコサミン量が変化していることが示唆されていたが、さらに多数例の検討によりADではこれらの糖鎖量が減少していることが判った。特にADでの髄液中・血液中のN-アセチルグルコサミン量の減少は、髄液中のアミロイドβタンパク(AP)と相関しており、その相関はより髄液で顕著であったが血液でも同様の相関が見られた。このことは、糖鎖量の変化は脳内のAβの動態を血液でも反映し、検出しうる指標であることが示唆された。一方、リン酸化タウタンパク(p-tau 181)との相関は見られなかった。またマンノース量の減少に関しては、p-tau181、Aβとの相関は見られなかった。 さらにこの糖タンパクの糖鎖量に関して、少数例ではあるがAD以外の認知症での測定も行い比較検討した。マンノース、N-アセチルグルコサミン共にAD群ではAD以外の認知症群と比較して減少しており、AD以外の認知症との鑑別にも応用できる指標であることが分かった。このことは、髄液中・血液中いずれも同様であった。 残り1種の糖タンパクは、マンノース、フコースを測定した。マンノース量はADの血液中で減少していることがわかったが、フコース量に関しては対照群と有意な差は見られなかった。
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Research Products
(5 results)