2007 Fiscal Year Annual Research Report
ドパミン神経幹細胞移植におけるケトン体の神経保護効果の応用
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19790606
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
今村 恵子 Tottori University, 医学部・附属病院, 医員 (90379652)
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Keywords | ケトン体 / ドパミン神経細胞 / 神経幹細胞 / 幹細胞移植 / パーキンソン病 |
Research Abstract |
パーキンソン病動物モデルにおける神経幹細胞移植の試みが行われているが,移植細胞の生着率の問題,ドパミン分泌能の制御の問題など多くの課題が残されている.本研究では,我々が神経保護効果を有すると既に報告しているケトン体のドパミン神経幹細胞の移植への応用を検討した. I.神経幹細胞の培養 妊娠ラットを完全麻酔下に開腹し,胎生ラット中脳を採取した.実体顕微鏡下に胎仔脳を抽出し,髄膜を除去した後に申脳組織を1mm3のブロックとして切り出し収集し,中脳組織は離散後,プラスチックフラスコで培養し,bFGFを投与して神経幹細胞を育成した、中脳由来神経幹細胞は培養3日目より増殖を始め,9日で増殖細胞塊を形成した.コーティングを施していないプラスチックフラスコにFGF-2添加無血清増殖培地で培養を続けると神経sphereが形成され,継代増殖可能であった.このsphereは無血清保存液を用いて増殖能・分化能を損なわずに凍結保存が可能であり,効率的に神経幹細胞が得られた. II.パーキンソン病モデルラットの作成および神経幹細胞移植 成体雄SDラット(200〜250g)にネンブタール40mg/kgの腹腔内注射を用いて麻酔を行なった.固定台(ear bar,manipulator付)を用いてラットを固定し,ドリルで頭蓋骨に直径約0.5mmの穴を開け,Manipulatorを用いて線条体に定位的に(targetcoordinates:anteroposterior(AP),-4.0;mediolateral(ML),0.8;dorsoventra1(DV),8.Omm from bregma),6-hydroxydopamine(8μg/3μl in saline containing O.2mg/ml ascorbic acid)をハミルトンシリンジで注入し,パーキンソン病モデルラットの6-hydoroxydopamine注入と同側線条体(target cordinates:AP,0.5;ML,3.0;DV,5.Ommfrom bregma)に神経幹細胞を移植して神経幹細胞移植におけるケトン体(D-βhydroxybutyrate;bHB)の効果を検討するよう試みた.しかし手技的問題等のため安定した実験系の確立が不十分であった.次年度,今年度の問題点を改善し,安定した実験系の確立と神経幹移植におけるケトン体の効果についてさらに検討を行なう予定である.
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