2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規生体素材PDMS-TEOSと血管内皮成長因子を用いた脳の組織再構築
Project/Area Number |
19790608
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
林 健 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40314679)
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Keywords | 脳 / 虚血 / 再生 |
Research Abstract |
孔径150〜210μmの多孔質生体素材をpolydimethylsiloxaneとtetraethoxysilaneから作成した(PDMS-TEOS)。この素材はSi-OH基を有しており、細胞の接着と増殖に有利であると考えられている。ラット脳の大脳皮質に2X2X5mmの切除を加え、直後にPDMS-TEOSを埋入した。この生体素材には、50ng/μ1のVEGFを含ませた群とvehicle群を作成した。 PDMS-TEOS埋入30日後、麻酔下にラット脳を摘出、凍結切片を作成した。その切片を用いHE染色を施行、素材内の組織の構築について組織学的に検討した。さらに各種細胞マーカーを用いた免疫染色により、生体素材内に新生した組織の構築細胞種について検索した。 PDMS-TEOSは埋入から30日後においても埋入部位に残存していた。周辺の炎症反応などは認められず、生体親和性がある素材であることが確認された。組織学的検索からは、PDMS-TEOS内に組織再構築を認め、これはVEGF群においてより強くみとめられた。免疫組織学的検索からは、アストロサイと血管内皮細胞の増生を認め、いずれもVEGF群でより著しかった。Ki67(細胞分裂マーカー)との2重染色からは、それぞれの細胞種ともに分裂している細胞を認めた。一方、神経細胞はどの群においても認められなかった。 PDMS-TEOSは中枢神経系の損傷部位に対して生体親和性を持ち、VEGFの併用により、脳組織再構築の有用な足場として機能する可能性があることを示した。
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Research Products
(1 results)