2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19790613
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
石橋 大輔 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10432973)
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Keywords | 脳神経疾患 / 感染症 |
Research Abstract |
プリオン病はヒトを含む各動物種に見られる難治性の中枢神経変性疾患である。現在、ヒトやウシにおける感染(同種感染)、ウシからヒトへの感染(異種感染)が大きな社会問題となっており、世界中でプリオンワクチンおよび治療法の開発が精力的に進められているが、実用化までには至っていない。なぜなら正常型プリオン蛋白(PrP)は生体内の宿主蛋白であり、免疫寛容という大きな問題点があるためである。本研究では、実用化に向けたプリオンワクチンの開発を検討することを目的とした。本年度では、1)免疫抗原の作成において、マウスプリオン感染に対し抑制効果のある抗PrP抗体の認識エピトープつまり、マウスPrPアミノ酸配列の91-110、132-155、220-231のエピトープに相同性のあるウイルスや細菌由来の蛋白7種類を合成および作製した。目的のリコンビナント蛋白の作製には,pQE30ベクターに目的の配列を挿入し、大腸菌にて蛋白発現させ、ニッケルカラムにて精製を行った。さらに、マウスに対し異種となるヒトPrPの132-155、220-231のエピトープのペプチドをKLHのキャリアーと付加させて合成した。2)作製したリコンビナント蛋白およびペプチドを4週齢の雄のBalb/cマウスにフロイントアジュバントと共に各週で3回から5回免疫を行った。それぞれの時期に血清を採取し、免疫に用いた抗原およびマウスPrP(交差性の検討)に対する抗原抗体反応をエライザ法にて検討した。血清は、自身の抗原に対して、高い抗体価を示した。これらの免役したマウス群では、抗プリオン効果を示す可能性が高いことが示唆された。
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