2007 Fiscal Year Annual Research Report
mdxマウス横隔膜への治療用遺伝子dystophinの導入効率と治療効果
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19790614
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
内田 友二 Sojo University, 薬学部, 助教 (70433026)
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Keywords | 筋ジストロフィー / ジストロフィン / mdxマウス / アデノウイルスベクター / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
まず基礎データとするために、6週齢のオスのmdxマウスおよびC57black10マウス(コントロール、以下B10)の横隔膜の等尺性張力(単収縮、強縮)を測定した。単収縮時の張力はmdxでは1.184±0.216(標準偏差)g重、B10では1.507±0.217g重であった。強縮(刺激周波数100Hz)時の張力は、mdxでは5.409±0.887g重、B10では9.0297±0.060g重であり、t検定で明らかな有意差が得られた。そこで次に、mdxとB10それぞれにおいて、刺激周波数を1,10,20,30,50,100,150(Hz)と漸増した際の周波数特性を評価した。その結果、mdxではB10と比較して、周波数増に伴い、等尺性張力の差が明瞭となった。特に、刺激周波数が50,100,150(Hz)では、mdxでのその相対値は、それぞれ0.617, 0.595, 0.579であった。これらは、横隔膜に治療介を行い、張力という機能面の治療効果判定を行う際に、非常に有用な指標となることが確認できた。 次に、dystrophinおよびマーカー遺伝子であるLacZ発現カセットをもつヘルパーウイルス依存型アデノウイルスベクター溶液を(Maedaら.Virology,2003)の方法で作製した。そのtiterは約1×10^<12>particles/mlであった。作製したウイルス溶液40μ1を1週齢のオスのmdxマウスの腹腔内に注入し、2週後に横隔膜全体に対するLacZの発現割合を評価したところ、その割合は30〜50%であった。 そこで、横隔膜の凍結筋切片を作製してdystrophinの免疫染色を行い、dystrophin陽性の筋線維の割合を定量的に評価したが、その割合は10〜20%にとどまった。 遺伝子導入がなされやすい幼若なマウスでの短期間の遺伝子発現効率を検討したにもかかわらず、横隔膜でのdystrophinの発現効率は低値であった。次年度は遺伝子導入効率の再検討と合わせて、骨格筋の張力を改善させるのに寄与しうる薬物による補助療法なども含めて検討を行う。
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Research Products
(3 results)