2008 Fiscal Year Annual Research Report
mdxマウス横隔膜への治療用遺伝子dystrophinの導入効率と治療効果
Project/Area Number |
19790614
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
内田 友二 Sojo University, 薬学部, 助教 (70433026)
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Keywords | 筋ジストロフィー / ジストロフィン / mdxマウス / アデノウイルスベクター / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
遺伝子導入効率の再検討のために、昨年度と同様に再度、dystrophin発現カセットとマーカーであるLacZ発現カセットをもつヘルパーウイルス依存型アデノウイルスベクターを(Maedaら.Virology,2003)の方法に従い、作製した。そのtiterは約5×10^<11>particles/mlであった。作製したウイルス溶液50μ1を7日齢のオスのmdxマウスの腹腔内に注入し、注入1週後に横隔膜を摘出してX-gal染色を行い、横隔膜全体に対するβ-ga1の発現割合を評価したところ、その発現割合は20〜40%であった。 次に、横隔膜の凍結筋切片を作製してdystrophinの免疫染色を行い、dystrophin陽性の筋線維の割合を定量的に評価したが、その割合は約10%にとどまった。今回作製したウイルスベクターのtiterが上述のように低かった影響も考えられるが、遺伝子導入がなされやすい幼若なマウスにおいて短期間での遺伝子発現割合を検討したにもかかわらず、横隔膜でのdystrophinの発現割合は低値であった。 我々が過去に行ったdystrophin遺伝子導入実験の結果などから、上記のdystrophin導入効率では病理学的、さらには筋生理学的な治療効果は期待できない。そのため、現在ウイルスベクターのtiterを上げる工夫とともに、mdxマウス骨格筋の張力を改善させる可能性がある薬物について、遺伝子治療との併用療法を念頭に、培養細胞などを用いて研究を進めているところである。
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Research Products
(4 results)