2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗中性糖脂質抗体の神経疾患における作用の解明と診断マーカーの確立
Project/Area Number |
19790619
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
三原 貴照 Fujita Health University, 医学部, 講師 (20449458)
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Keywords | グルコシルセラミド(GlcCer) / ガラクトシルセラミド(GalCer) / 脳脊髄根末梢神経炎 / 非ヘルペス性急性辺縁系脳炎(NHLE) / ミニプロティアンマルチスクリーン |
Research Abstract |
非ヘルペス性急性辺縁系脳炎(non-helpetic acute limbic encephalitis ; NHLE)の中にはグルタミン酸受容体(GluR)に対する抗体や、votage-gated potassium channel(VGKC)抗体、NMDA抗体(NR1/2ヘテロマー)などが血清、あるいは髄液から検出される一群があることが広く知られてきている。我々のグループは上記以外に、中性糖脂質に対する抗体の検出を試みて、再発性多発軟骨炎(RP)に辺縁系脳炎(LE)を合併する複数の症例において全く新規抗体である抗中性糖脂質抗体を発見し報告した。(T Mihara, et.al. FEBS Lett, 2006). この抗体はグルコシルセラミド(GlcCer)またはガラクトシルセラミド(GalCer)あるし、は両者を認識し、他の中性糖脂質は認識しなかった。そこで継続して抗中性糖脂質抗体の有無を神経免疫・感染疾患でスクリーニングすすめた結果、脳脊髄根末梢神経炎という病態の患者において、治療前血清で本抗体が陽性であり、治療後は消失していることが判明した。その成果を第49回日本神経学会総会で発表した。 そこで、これまで以上に多数の症例でスクリーニングをすすめる必要性があると考えた。これまでの薄層クロマトグラフィーサーマルブロッティング法方法は検出に時間がかかり、また一度に検索できる検体数2名までに限られていることが問題であった。そこで、一度に多数患者の検索を行えるように改善を試みた。TLCプレートに各種中性糖脂質、酸性糖脂質をアプライし、サーマルブロット法を用いてPVDFメンブレンに転写する。そのメンブレンをミニプロテインマルチスクリーン(バイオ・ラッド)を用いて密閉し、各レーンに200〜500倍に希釈した患者血清髄液を500μ注入して反応させ、さらに二次抗体として抗ヒトIgG抗体を用いて発光させる。この方法により一度に20人検索することができるようになった。この方法で陽性となった患者血清・髄液では従来の方法であるサーマルブロッティング法で再確認した。この成果を第21回日本神経免疫学会学術集会で報告した。
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Research Products
(4 results)