2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子イメージング手法を用いるアルツハイマー病におけるグリア細胞の役割に関する研究
Project/Area Number |
19790621
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
季 斌 National Institute of Radiological Sciences, 分子イメージング研究センター, 主任研究員 (80392223)
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Keywords | Alzheimer病 / アミロイドイメージング / 末梢性ベンゾジアゼピン受容体イメージング / PET / ミクログリア |
Research Abstract |
株化ミクログリア細胞Ra2をAlzheimer病動物モデルAPP23マウスに脳内移植し、経時的にアミロイドイメージング放射標識リガンド[^<11>C]PIBにより、モデルマウス脳内アミロイド沈着をin vivoにおいて定量検出した結果、ミクログリア細胞移植により、アミロイド沈着は明らかに軽減した。同時に行った末梢性ペンゾジアゼピン受容体(PBR)放射標識リガンド[^<18>F]FEDAAを用いた画像解析より、Ra2移値による脳内のPBRの上昇が認められなかった。また、これらのマウスの剖検脳を種々染色法により調べた結果、in vivoにおける所見と一致した結果が得られた。また、PBRリガンドであるPK11195とRo5-4864を顔面神経切断モデルに投与し、神経軸索損傷によるミクログリア細胞の活性化に及ぼす影響を調べた。その結果、いずれのPBRリガンドもミクログリア細胞の活性化及びPBRの誘導に対して、著しい効果がなかったことを確認した。以上の結果より、株化ミクログリア細胞の脳内移植はAlzheimer病の原因物質と考えられるアミロイドの沈着を炎症反応を引き起こすことがなく除去できることを示唆し、その抗アミロイド効果はPET技術により、非侵襲的に経時的にモニタリングすることができた。[^<11>C]PIBと[^<18>F]FEDAAを用いるPET技術は新薬の治療効果の客観的な定量評価と治療過程における脳内炎症反応の把握に非常に有効な手段であることが示された。また、ミクログリア細胞の活性制御は脳内アミロイド沈着の除去に有効な手段であるものの、PBRリガンドを用いるミクログリア活性の制御は少なくとも既存したPBRリガンドでは難しいことが示唆された。
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Research Products
(2 results)