2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本人多発性硬化症に対するインターフェロン治療の免疫学的評価と有効性の予測
Project/Area Number |
19790622
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
蕨 陽子 (柴崎 陽子) Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (30399464)
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Keywords | 多発性硬化症 / インターフェロン / neuromyelitis optica / 神経科学 / 脳神経疾患 / 免疫学 / 二次性進行型 |
Research Abstract |
日本人多発性硬化症(MS)患者に対するインターフェロンベータ-1b(IFNB-1b)治療の効果を免疫学的に評価し、さらに有益な予防効果を発揮させることを目的として研究を行った。IFNB-1b治療を日本人患者に有効に行うためには、MSとneuromyehtis optica (NMO)の鑑別診断を確実に行って、MS患者のみにIFNB-1bを用いることが基本であるが、鑑別困難な患者もいる。我々はNMOでありながら二次性進行型MSに類似した進行性大脳萎縮を呈した症例について髄液検査所見を中心に検討した結果、二次性進行型MSの進行は軸索変性によっておこるが、二次性進行型MSに類似したNMOの進行は軸索変性とは機序が異なり、炎症や脱髄の持続によって起こっていることを明らかにした。このことから、二次性進行型MSに対してはIFNB-1b療法が行われるが、進行型のNMOに対しては再発寛解型のNMOと同様にIFNB-1b療法を行わない方がよいことがわかった。一方、我々がこれまでに研究報告したように、NMO患者にIFNB-1b療法を行うと病状の悪化や強い副作用が出現することがあり,MSとNMOのどのような免疫学的特徴の違いが、インターフェロンの効果の違いに結びついているのかを調べた。インターフェロン未使用のMS患者とNMO患者6名ずつを対象とし、再発時や寛解時に血液を採取し、血液中の細胞成分の遺伝子解析をGenePlexアッセイで、血清成分の免疫学的検討をサイトカインのBioPlexアッセイにて行った。解析結果については、さらに症例数を増やして次年度以降に発表する。
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Research Products
(2 results)